『住民税を機に考える2つの「ふ」』についてTwitterの反応


普通徴収切替理由書を提出することで普通徴収に切り替えられる。事業主を通じて申請することで、普通徴収分の住民税を特別徴収に切り替えることは可能であるが、特別徴収普通徴収には切り替えられない。東京都は、平成29年に、それまで特別徴収の適用が曖昧だったのを、普通徴収
13キロバイト (1,794 語) - 2021年6月28日 (月) 16:29


5~6月、鬱陶しい梅雨とともに重苦しく到来するのが税金シーズンだ。自動車税に固定資産税に住民税……、次々舞い込む税金のお知らせが空模様とあいまって心をドンヨリさせる。特にコロナ禍の昨今は給付金や支援金など「入るもの」の入金が滞りがちなだけに、「出ていくもの」に対する正確かつ冷徹な取り立てが際立ち「ちょっと空気読めば」とつぶやきたくもなる。中でも最も「間が悪い」存在なのが住民税だ。前年の稼ぎに対し半年ずれて翌6月から徴収が始まる。失業や休業、退職、転職などを経た場合、今時点の稼ぎとズレが生じる上、額も大きく負担感は小さくない。一体、どういう仕組みで何を知っておくべきか。特にこれからの時代の家計と関わりの深い2つの「ふ」の観点を忘れずにチェックしておこう。

稼ぎには2つの税金~所得税と住民税 

世のことわりは「稼ぎがあれば税金が発生する」。毎年1月1日から12月31日までの1年間の収入に対して、個人は所得税と住民税の2種類の税金を納める必要がある。この2つは支払先や支払方、計算方法も微妙に違うから厄介だ。

支払先は所得税が国で、住民税が地方自治体(都道府県と市区町村で案分)だ。税額を決める考え方のフローは同じだが、計算時に差し引ける控除額と税率が異なる結果、最終的な支払額も変わってくる。

まず収入から、それを得るためにかかった経費を引いて「所得」を算出する。経費は自営業ならかかった額そのものだし、サラリーマンの場合は「給与所得控除」として収入帯ごとに必要経費として差し引ける額が決まっている。特に高収入サラリーマンの間で税金の負担感が強まっているのは、給与所得控除の段階的縮小の影響が大きい。2021年度からはさらに差し引ける額の上限が切り下がったのと同時に減額の対象になる人も増えた。

所得から家族の扶養状況や保険料などの支払い状況に応じた割引である「所得控除」を差し引けば「課税所得」がでるので、そこに税率を掛けて税額を算出する。所得税の場合は5~45%、7段階に細分化された税率を対象金額帯に掛け合わせ積み上げる。これが「超過累進課税」の考え方だ。一方の住民税は高所得者も低所得者も共通で10%の1本。こうして算出した「所得割」の額と、1人当たり定額でおおむね5000円の「均等割」と併せ、住民税として地方自治体に納める。

住民税の「時差の悲劇」

2つの税金の負担額は甲乙つけがたい重さだ。特に小泉政権の「三位一体改革」で地方への財源移譲が進んだ結果、住民税の負担感は増している。大まかには高所得になるほど所得税が重くなるが、よほど高所得でない限り住民税の負担が勝る。

にも関わらず、年末調整や確定申告といった目立った税イベントがない住民税は地味な存在になりがち。だからこそ半年後、6月から支払いが始まると「え、それ、今払うの?」の驚きもひとしお。特に退職後は要注意だ。

なぜ6月かというと、2~3月の確定申告を経て国が所得税の額を把握した後、データを5月ごろに自治体に回すから。サラリーマンの場合は住民税の総額を12等分して会社が毎月の給与から天引き後、納入まで済ませてくれる。自営業者は原則6月、8月、10月、翌1月の4分割なので1回当たりの額も大きくなる。自営業者のように届いた納付書を持って自分で支払うのが「普通徴収」で、会社による天引きが「特別徴収」だ。

副業者も選べる「普通徴収」

これからの時代には一般的な2つの「ふ」からみた住民税のポイント。1つ目は「副業」との関係だ。政府の「働き方改革」の掛け声に加え予期せぬコロナ禍もあり、収入源を多様化したい会社員のニーズは増大している。終身雇用制の過去には就業規則で禁止する企業が多かったが、最近ではほぼ半数まで容認派が増えているのが世の流れだ。

とはいえ、積極的には副業の存在を会社に知られたくない人もいるだろう。その場合は副業収入を確定申告する際、住民税の支払い方法について「普通徴収を希望する」欄にチェックを入れておく手がある。さもないと税務署から自治体に副業込みの税額が伝達されそのまま会社に伝わるので、給与所得との差が「副業収入」だと会社に類推される。

ふるさと納税の「答え合わせ」も忘れずに

「2000円の負担で地方の豪華特産物がもらえる」――。こう覚えている人も多い「ふるさと納税」が2つ目の「ふ」だ。家計お助け法として利用者は昨年406万人まで増えている。正確には節税というより「2000円の手数料を払って住民税の支払先を変更し、先払いする行為」だ。対価として特産品がもらえる場合もあるし、ない場合もあるが多くの人が特産品目当てなのも事実。結果としてモノをもらった時点で完結した気分になるが本番はむしろこれからだ。

5~6月になると自治体から横長の紙切れ「住民税決定通知書」が届く。会社員の場合は会社経由で配布される。ここに今後1年間払う住民税額が載っている。通常は「高いな……」と思ってもチラ見しただけでしまい込みがちな書類だが、ふるさと納税をした人はしっかりと確認しておきたい。

確定申告をしないで済む簡易的な手法「ワンストップ特例」を使った人は通知書の「摘要欄」に記されている寄付金税額控除の市民税と都道府県民税の合計が、自分が寄付した額から2000円を引いた額と一致するはずだ。特例を使わず、確定申告をした人は所得税からも還付されているはずなので、それも足した額が摘要欄の控除額と一致するか確認しよう。先払いした住民税をいよいよこれから1年間かけて取り返すプロセスが始まるわけだ。ふるさと納税は本人は手続きが完了したつもりでも、正しく完了していない人が一定数いるという。摘要欄を確認し疑問が湧けば税務署・自治体に相談してみよう。