候補1:税制優遇の恩恵を受けながら自分年金を準備するiDeCo
つみたてNISAで上限金額まで投資をして、さらに家計に余裕があるという場合、まず、優先してほしいのが「iDeCo」です。iDeCo(個人型確定拠出年金)は、税制優遇の恩恵を受けながら老後の自分年金づくりができる制度です。
今後少子高齢化がますます加速する中、自分自身で年金を準備することは大切なこと。老後の年金の準備もできて、しかも税制優遇も受けることができるのですから、家計に余裕がある人はぜひ検討しましょう。
iDeCoの大きなメリットは、「毎月の掛け金」「運用期間中」、「年金の受取時」の3つの場面で税制優遇があること。中でも掛け金の全額を「所得控除」できるのは大きなメリットです。税金は、税込収入から様々な「所得控除」を差し引いた「課税所得」に対してかかります。つまり、所得控除が増えるほど、支払う所得税が減るので、この制度を利用すると大きな節税が可能です。iDeCoの掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除が受けられます。
掛け金の上限金額は、自営業者、会社員、公務員など、属性により異なりますが、いずれも5,000円からスタートすることができます。
例えば、課税所得が300万円程度の会社員がiDeCoに加入し、毎月2万円を拠出したとすると、年間の掛け金の合計金額は24万円になります。そして、この24万円はその年の給与所得から減額できるので、仮に所得税率が10%の人なら、所得税が約2万4,000円節税になり、住民税(一律10%)と合わせると約4万8,000円も節税になります。毎年24万円を貯めつつ、4万8,000円の節税になるのですから、お得な制度ですね。
iDeCoは、基本的に60歳まで引き出すことができませんが(2022年から変更予定)、前向きに捉えれば、老後資金を確実に貯めることができるということです。
候補2:幅広い投資先から選べる、通常の証券口座で投資信託積立
つみたてNISAにもiDeCoにも投資して、さらにまだ余裕があるという場合には、通常の証券口座での投資信託積立が候補に挙がります。
通常の証券口座で投資信託を積み立てる場合、つみたてNISAやiDeCoのような税制優遇の恩恵を受けることはできませんが、通常の証券口座で投資信託積立を行うメリットもあります。
つみたてNISAの商品は、国の基準をクリアしたものに限られますが、投資信託積立でラインナップされている商品は、バラエティに富んでいますので、幅広い投資先から選択することができます。
老後資金は税制優遇の恩恵を受けながら安定的に運用できる「つみたてNISA」や「iDeCo」で、旅行など、趣味を楽しむためのお金は積極的にリターンを狙って「投資信託積立」でという具合に目的別に使い分けると良いでしょう。
候補3:高配当株に投資している米国株ETF
通常の証券口座での投資信託積立という選択のほかにもう1つご紹介します。
最近、欧米の若者を中心に「FIRE」が話題になっていますね。FIREとは「Financial Independence Retire Early」の頭文字を取った造語で、経済的に自立し、早期リタイアを目指すといった意味です。FIREを目指してコツコツ投資してみるというのも良いのではないでしょうか。
FIREを達成するために、資産運用によって収入を増やしていきますが、資産運用といっても方法は様々。FIREでは、配当金を積み上げて資産を増やしていくことを目指します。
とはいえ、自分で高配当株を選んで投資するのはハードルが高い人が多いでしょう。そこで、オススメなのが高配当株に投資しているETFです。
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所に上場している投資信託のこと。上場しているので、株式と同じようにリアルタイムで取引できるところが特徴です。一般的にETFは少額から投資することができ、一般の投資信託と比べて取引手数料やその他のコストが安く設定されています。
配当金がたくさん受け取れる配当利回りの高い銘柄は、米国株に多い傾向にあります。例えば、バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)やiシェアーズ・コア米国高配当株ETF(HDV)、S &P500高配当株式ETF(SPYD)など、米国の高配当株に投資しているETFに投資してみるのも良いでしょう。
ETFは、1本買うことで数十・数百の銘柄に投資するのと同じような効果を得ることができます。加えて、年4回の配当金が受け取れます。定期的に分配金を受け取ることができれば、相場が悪くなったときでもモチベーションが保てるでしょう。ネット証券によっては、ETFの定期買付サービスを行なっているところもあり、積立投資のように利用することもできます。
一般の人が安定的に中長期的に資産を増やすためには「長期・積立・分散」投資が基本です。今回は、つみたてNISA同様、長期で分散投資をして安定的に資産を増やしていける可能性のある投資商品をご紹介しました。つみたてNISAで上限金額まで投資して、次の投資先選びに悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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