『米カード債務残高、4〜6月は過去最高 11年ぶり延滞率』について画像をまとめてみた
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ニューヨーク連銀が8日発表した四半期報告書によると、4〜6月期の米家計におけるクレジットカードの債務残高は1兆310億ドル(約148兆円)と過去最高となった。債務急増にともない延滞率も上昇し、新たに支払いが30日以上遅れた割合は7.2%と前年から2.44ポイント増え、2012年1〜3月期以来の高水準となった。
23年4〜6月期の家計の債務残高は全体で17兆630億ドルと前年同期から5.6%増え、過去最高水準となった。最も急伸したのはカードローンで、前年から16.2%増加した。
NY連銀は「金利上昇や物価高、米銀破綻など消費者にとって多くの逆風があったにもかかわらず、金融不安はあまり広がっていないようだ」と指摘した。インフレ下でも底堅い消費が続いたとみられる。
住宅ローンの債務残高は5.5%、自動車ローンでは5.3%、それぞれ前年同期から増加した。一方で学生ローンは同1.3%減少した。
4〜6月期は債務残高の増加にともない、延滞も増えた。新たに支払いが30日以上遅れた割合は11年ぶりの高水準となった。NY連銀のジョエル・スカリー氏は「新型コロナウイルス流行前の水準まで高まった」と説明した。
債務全体では、新たに支払いが30日以上遅れた割合は3.18%と前年から0.77ポイント上昇し、20年7〜9月期以来の高水準を記録した。自動車ローンは7.28%と1.64ポイント、住宅ローンは2.56%と0.66ポイント、それぞれ前年同期から上がった。
一方、学生ローンでは1.01%と0.12ポイント減少した。米政府がコロナ対策で打ち出した学生ローンの支払い猶予措置を受けて、延滞率は歴史的な低水準で推移している。3年以上続いてきた措置は8月末で打ち切りとなるため、今後の消費に与える影響が懸念されている。